日本人と米国人でトランプ観に差がある

この原稿を書いている今日、2020年12月14日は、ことによるとアメリカの歴史に残る日になるかもしれない。第一に、同日ジョー・バイデン氏が大統領に就任することが正式に決まったからである。ドナルド・トランプ大統領は大統領選挙に不正があったと、負けた各州で法廷闘争を続けていたが、大統領決定の権限を持つエレクトラル・カレッジ(大統領選挙委員団)が国民の投票の結果を集計してバイデン氏の大統領就任を本日正式に決定した。

バラク・オバマ大統領の就任式の「Capitol Building ,Washington DC
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したがって、トランプ氏が世論と社会の間隙をついて、民主主義の根幹を揺るがすかのような行動をとったにもかかわらず、幸いにもアメリカ憲法とアメリカの政治制度はそれを許さなかった。立法、行政、司法の三権分立が脅かされそうになったときに、最高裁判所が率先して民主主義を守ったのである。

第二に、アメリカの新型コロナの感染者は1600万人を超え、死者も30万人に達した(人口30万人というと、だいたい秋田市の規模に当たる)。この悲劇の最中に、本日政府公認の新型コロナのワクチンが初めてアメリカ人に接種された。これはアメリカだけでなく、世界全体に対する大きな救いのニュースである。