太陽光パネル最大手の中国企業は日本向けラインを新設

一方、日本勢は2019年に日立製作所が中核部材である風車生産を停止することを発表。日本製鋼所はすでに風車生産から撤退している。

ウインドヨーロッパ(欧州風力エネルギー協会)によると、2019年末までに欧州で導入された洋上風力は日本の約400倍の約2210万キロワット。発電機器の大量生産が進んだ欧州勢に比べ日本勢はコスト競争力で劣っている。唯一の国内有力メーカーとなった三菱重工業は風車製造をデンマークのヴェスタスに頼る状態だ。

太陽光パネルでも世界最大手の中国ジンコソーラーは日本向けの生産ラインを中国国内の工場に新設し、2021年に稼働させる。太陽光発電協会(東京・港区)によると日本国内の太陽光パネル出荷量で、2019年度に初めて海外企業が日本企業を上回った。

EVや再生エネなど「脱・炭素」社会の進展に必要なサプライチェーンを日本は今から構築することができるのだろうか。年末の寒波到来で電力が逼迫する心もとない状況を生んだことから考えると、実現へのハードルは高い。

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