母にされた恐怖の出来事
離婚することで蜃気楼さんは「これでお母さんと離れられる!」と希望を持った。だが、お母さんと離れお父さんと暮らすという蜃気楼さんの希望はかなわず、お母さんのもとに残ることになる。離婚したことでタガが外れてしまったのか、お母さんは、ますますX社にのめり込んでいき、蜃気楼さんにもX社の良さを伝えようと必死になった。「すぐに思い出せるだけでも……」と、お母さんの必死ぶりを物語るエピソードを話してくれた。
1 強制的に飲まされるサプリメント
嫌がっているのに「あなたのために」と言われて無理やり飲まされていた。こんな味のしないサプリメントよりも、今まで作ってくれたご飯のほうが私は好きだった。母はX社にハマってからはX社の鍋でご飯を炊いていた。でも私はX社の鍋で炊いたご飯よりも、いつでもあったかい炊飯器で炊いたご飯がよかった。
2 夜なのにX社製品デモパーティに引きずりまわす
行きたくなかった。参加してる大人は何かに取り憑かれたみたいに、みんな目が怖かった。本当は仲良くないのに、うわべだけの気持ち悪い仲良しごっこをしているということが、小学生ながらにわかり恐怖でいっぱいだった。
3 X社信者にしてこようとする
X社のお口スプレーをキーホルダーにして、持たせられていた。要は子どもに歩く宣伝をさせていた。X社の看板を小学校に持って行かせられていた。怖すぎる。
母の勧誘のせいで友達からも避けられるように…
4 私の友達のお母さんが餌食になる
友達のお母さんに「お茶飲みにきてー。お話ししましょ!」と声をかけまくっていた。もちろんX社の勧誘目的だった。これで私の人間関係は崩壊した。仲の良かった友達に「○○ちゃんあそぼー!」と言っても「ごめん。××ちゃんとはお母さんが遊ぶなって……」と避けられるようになった。つらかった。
5 病院に連れて行ってもらえない
本当に苦しすぎて、涙と嘔吐が止まらなくて、母に助けてほしいのに、「X社のサプリメントを飲めば大丈夫だからゆっくり寝ててね!」と、母は言い残してX社のパーティに出かけて行った。体調が悪化した私は、なんとか祖父母に電話して助けてもらったが、祖父母の家が遠かったら危なかったかもしれない。
6 体質に合わないのに使わせ続ける
X社のシャンプーが体に合わなくて、すごいフケまみれになった。「お願いだからシャンプー違うの使わせて!」と言っても「X社の商品は良いものだからそのうち慣れる」と言われて我慢して使い続けさせられた。結果、私は今でもハゲだ。