秋篠宮家の眞子さまと小室圭さんの結婚問題は、なぜ国民の大きな関心事となったのか。評論家の真鍋厚氏は「理由は2つある。ひとつは令和の国民にも皇室を神聖視する意識があるから。もうひとつはコロナ禍の国民が全員一致で攻撃できるいけにえを欲したからだ」という――。
小室さん問題には単なる「ゴシップの消費」以上の衝動が潜んでいる
2020年を振り返ってみて、最も全国民の耳目を集めた人物はやはり小室圭さんをおいて他にはいないでしょう。
もし筆者が街頭に出向いて、通りすがりの人にマイクを向ければ、以下のような答えが返って来ることが容易に想像できます。
「小室佳代さんが元婚約者から借金した400万円をうやむやの状態にした不誠実な対応のまま結婚するのは国民の納得が得られない」
「約1億4000万円の一時金が小室家の借金返済に使われるかもしれず、そのようなお金目当てと疑われる結婚は素直に祝福できない」
「小室家はあの手この手で皇室に食い込もうとしているのではないか。一時金ばかりか『皇女』になる眞子さまの収入や、親戚関係になることで得られる便益狙いではないのか」
ここに書かれていることはテレビや週刊誌で報じられている情報や、それに基づく疑惑などから必然的に導かれるごく一般的な反応といえるものですが、関心が異常に高いだけでなく激しい感情が伴っていることに注意が必要です。ここには単なるゴシップの消費にとどまらない衝動が間違いなく潜んでいます。
そもそも普通に考えて、ここまで国民的な注目を独り占めすると同時に、すさまじいバッシングの標的にされる人物は、近年相当珍しいケースといえます。大量殺人を犯したわけでもなく、危険運転で多数の人を死傷させたわけでもないにもかかわらず、そのような事件の容疑者や被告をはるかに上回る怒りや憎悪の対象となっているからです。