「地方経済の下支えに有効であることは結果が示した」と産経社説
12月15日付の産経新聞の社説も、保守派とは思えないほど厳しい。
「印象は遅きに失し、中途半端である。これで感染拡大と戦えるのか、不安である」と書き出し、「菅義偉首相は『皆さんが落ち着いた年明けを迎えることができるように、最大限の対策を講じる』と述べた。それならなぜ全国停止を28日まで待つのか」と主張する。
産経社説の「感染拡大と戦う」という表現は間違っている。人類はウイルスなどの病原体と戦おうとして何度も失敗してきた。重要なのは、戦うことではなく、感染症をうまくコントロールすることだ。
「28日まで待つ必要があるのか」との主張もよく分からない。いきなりGoToトラベルを停止すると支障が出る。菅政権はそう判断して余裕を持って28日からとしたのだろう。
産経社説は朝日社説とは違ってこんなことも書いている。
「トラベル事業とは、国による移動の推奨である。それ自体が悪いのではない」
「トラベル事業が地方経済の下支えに有効であることは結果が示した。この成功体験に自信を持ち、感染が収束傾向に転じるのを待って堂々と再開すればいい」
菅首相はGoTo事業の旗振り役を務めてきた。この政策で救われた事業者は多い。自粛だけでは社会経済のほうが死んでしまう。人を殺すのはウイルスだけではないのだ。