営業短縮の協力金は、1日最大4万円から6万円に引き上げ
政府は、1月13日、大阪、兵庫、京都、愛知、岐阜、福岡、栃木の合わせて7府県を対象に緊急事態宣言を出した。すでに1月7日には東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に宣言が出ており、対象地域は11都府県に拡大した。いずれも期間は1月8日から2月7日までの1カ月間だ。昨年4月7日の宣言に次いで2回目となる。
緊急事態宣言の発令によって11都府県の防疫に法的根拠が与えられ、知事の権限が強固なものになる。ここで緊急事態宣言の主な中身をざっと拾ってみよう。
政府は会食の場が感染を広げているとみているが、11都府県は政府の基本的対処方針に従って飲食店やバー、カラオケ店に夜8時までの営業時間の短縮を要請できる。応じた店には協力金を現在の1日最大4万円から6万円に引き上げ、応じない場合は店名を公表する。
前回の緊急事態宣言がスポーツクラブや映画館、劇場、百貨店も重点対象にしていたのに比べ、かなり的が絞られている。知見が蓄積された結果だろう。防疫を続けていくためには、社会経済活動とのバランスを取る必要がある。的を絞ったことは評価できる。
企業に対しては「出勤者数の7割削減」が目標に
イベントの人数制限については「上限5000人かつ収容人数の50%以下」とした。夜8時以降の不要不急の外出の自粛も要請し、とくに30代以下の若者には慎重な行動を求めている。企業に対してはオンラインのテレワークを効率的に行うことによって出勤者数の7割削減の目標を示した。
感染の拡大はなんとしても抑えたい。感染が広がって感染の山のピークが高くなると、重症者も増える。その先に致命的な打撃を受ける健康弱者が存在する。新型コロナの健康弱者は高齢者と基礎疾患(持病)のある人だ。とくに糖尿病や肺機能障害、心臓病といった持病のある人は細心の注意が必要だ。
たとえば最近では参院議員(立憲民主党)で元国土交通相の羽田雄一郎氏が昨年12月27日に感染して亡くなったことがニュースになった。羽田氏は53歳と高齢ではなかったが、糖尿病と高脂血症、高血圧の持病があった。羽田氏は2017年7月に死去した羽田孜元首相の長男で、国会議員になる前は父親の第1秘書を務めていた。