バブル期の価値観を強く持ち、とことんお金を落とす
私は大将と会話しながら寿司を楽しみたいタイプなので、「このコハダの皮目の柔らかさからすると、産地は熊本県天草ですか?」「札幌の寿司屋だとあそこがうまいですよね」などといった寿司好きならではの会話を仕掛けます。自然とほかのお客さんにもそうした会話が耳に入るので、隣に座っている社長らしき人に「キミ、なかなか面白い子だね」と声をかけられることがあるのです。最終的に名刺をいただくと「代表」の文字。こうしてたくさんの交流をしてきました。これがたまらなく楽しいです。
このような方は、ご自身で会社を立ち上げられた、いわゆるオーナー社長なので、行動の自由が利く方が多いのでしょう。当然、お金も持っていますし、私的な飲食費用も経費で落とせるため、大枚をはたきやすいかと思います。会計の際に「領収書ちょうだい」というシーンをよく見かけます。
また、50代前半というと、俗に言う「バブル世代」の中心。
世代的な傾向として、コミュニケーション能力が高くフットワークが軽い人が多いです。そして、男らしさや女らしさを大事にする。「貯蓄よりも消費!」という考えを持っており、ブランド志向が強い。若い頃から「猛烈に仕事をして出世したい、稼ぎたい」「高級車に乗りたい、ブランドもののバッグが欲しい」「銀座の高級寿司屋でうまい寿司を食べたい」などの価値観を強く持つ世代だからこそ、今でも一流寿司屋を普段使いし、気に入ったらとことんその寿司屋にお金を落としていくのです。
もうひとつの正体、ミレニアル世代
バブル世代の方々が常連客の中心となっているのは間違いないのですが、実はそれ以外にも一流寿司屋に通う世代がいます。最近寿司屋でよく見かけるのは、「23~33歳くらいの若い方々」です。世代でくくると、「ミレニアル世代」と言えるでしょう。
一流寿司屋に足を運ぶミレニアル世代は、3つのパターンに分けられます。1つ目は、「稼ぎがあるビジネスパーソン」。コンサルティング、MR、金融、ITなど、いわゆる高給取りと言われるような職業の方々です。2つ目は、「育ちが良い若者」。企業に勤めてはいるものの、ご両親が経営者、医者などといったお金持ちの家系で育ってきた方々です。3つ目は、「パパ活女子」。容姿端麗な美女がバブル世代のおじさまに同伴し、ご馳走してもらっているようなシーンもよく見かけます。