「彼氏とエッチしてもお金をもらえるわけではないから」

――でも、すべてのパパが食事だけですむわけではありませんよね。

志駕晃『彼女のスマホがつながらない』(小学館)
志駕晃『彼女のスマホがつながらない』(小学館)

ええ。だからこそ、パパとの性行為を仕事だと割り切れるかどうかで、どれだけ稼げるかが決まるのではないでしょうか。

取材した女性の1人がこんな話をしてくれました。付き合っている彼氏に、パパ活がバレて「やめろ」と怒られたそうです。それでもパパ活をやめなかった。彼女の言葉が印象に残っています。

「彼氏とエッチしてもお金をもらえるわけではないから、パパ活はやめられない」

取材のなかで、ひとつ気になることがありました。彼女たちにとってパパは恋愛対象なのか、と。

話を聞いたほぼ全員が「恋愛対象として見ていない」と答えました。知り合ったきっかけは、交際クラブやパパ活アプリです。パパは、自分以外の女性とも同じように遊んでいるはずだから、それ以上は求めない。恋愛感情を持ったり、結婚を意識したりするはずがないとも言っていました。それは、男性も同じ。自分がお小遣いを渡している女性が、ほかの男性とも似たような条件で食事や性行為をしていると割り切っている。

パパ活女子は本当の父親を求めているのかもしれない

とはいえ、パパ活で出会った男女に、恋愛とも疑似父娘とも言えない不思議な結びつきを感じたケースもありました。男性側が、女性の容姿や、肉体関係だけではなく、2人の間に生まれた絆や信頼のような関係性に対し、お金を支払っている印象を受けたのです。

また、パパに対して金銭だけではない関係性を求めているように見える女性たちもいました。

もしも、彼女たちの実父が学費も生活費も支払えるくらいの経済力を持ち、精神的にも娘を満たせてあげられる存在ならどうだったのか……。きっと彼女たちは、パパ活をしなかったはずです。なかには母子家庭で育ったり、親子関係が破綻したりしてしまった女性もいました。彼女たちとの会話のふとした瞬間に、父性への飢えや憧れが伝わってきたのです。パパ活にハマる女性たちは、本当の父親を、父性を求めているのかもしれないな、と。

しかし格差が広がる時代です。

パパになる富裕層もいる反面、生活に困窮し、娘への仕送りもままならない実の父親たちもいる。

パパ活とは、そんな時代のあだ花のような現象ではないか、という気がしてならないのです。

(聞き手・構成=山川徹)
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