紙袋に入れたまま渡すのはNG

さて、ここでもうひとつ大切なご注意があります! そう、購入されたお店の紙袋です。紙袋に入れたままでのお渡しはNG。雑誌でもネットでもよく書かれていることでもありますし、また私もテレビ番組などで頻繁にお伝えしているマナーなのですが、袋ごとお渡しなさる方はまだまだいらっしゃるようです。必ず手提げ袋から出し、箱の正面を相手側に向けて丁寧にお渡ししましょう。

ご両親揃ってお会いする場合であっても、特に装いに関してはお母さまの目を第一に考えて選ぶことが賢明です。とかく同性の方の目というのは厳しいものですし、女性は細かいところまで実によく気がつく、ということもご存じの通りです。

では、装いについてひとつひとつ丁寧にアドバイスさせていただきますね。彼のご実家初訪問の場面を頭の中でイメージしながら、ご一緒にお考えください。

1 まずはスカート丈から

目上の方にお会いする場合、膝が半分以上隠れるスカート丈が条件です。また、肌の露出を控えるのも“あたりまえ”の礼儀です。色、柄、形についても品がよく、しかし、決して地味すぎるのではなく……このように考えていきますと、男性の定番であるスーツに比べ、女性の服選びとは、種類もアイテムも多い分、本当に大変! 実に悩むところですね。

さらに、和室に通されたことまでも想定に入れますと……ますます課題が増え、憂鬱にさえ感じてしまうかもしれません。

畳のお部屋では、タイトスカートは正座がしにくいですし、また、裾も上がってきてしまうので終始気になり落ち着きません。裾に余裕のあるふんわりしたフレアーやギャザースカートなどになされば、安心して過ごせるでしょう。この安心感というのが、緊張した場面ではとても大切になります。

ブーツを避けたほうがいい理由

2 意外にたくさん。靴のご注意

①ブーツの問題

通常、パンプスを履かれていく方がほとんどかと思いますが、念のため確認しておいてください。

ご承知のように、ブーツは脱ぎ履きに時間が掛かります。真冬のお寒い時期であったとしても下記の理由から避けたほうが賢明でしょう。

緊張する「初めまして……」のご挨拶の直後、ご両親が見つめる中でブーツを脱ぐ所作はかなり難易度が高いことは申し上げるまでもありません。さらには、脱いだ後も、ロングブーツがあっちにこっちにと倒れてしまいますと、相当見栄えが悪くなり、意に反しあなた自身が粗雑な女性のイメージとなってしまいますので注意が必要です。向かう途中のどちらかで、もしくは、彼の車の中でブーツからパンプスへ履き替えるなど、冬のご訪問の対策は考えておく必要があるでしょう。

それでもどうしてもブーツとおっしゃる方は、終始見られていても大丈夫なように、また、お待たせすることなく脱ぎ履きができるように、スマートでスピーディな所作を練習なさっておいてください。