ケトジェニックな体質をつくるまでの道のり

しかし、現代人はエネルギー源がブドウ糖に偏りすぎているので、ケトン体をエネルギーとして使う回路が衰えてしまっている。もし、安定供給できるケトン体をエネルギーにできれば、血糖値が低いレベルで安定するので、午後の眠気やだるさもなくなり、スッキリした脳で仕事をこなせるようになるだろう。このような、ケトン体が主なエネルギー源になる状態を「ケトジェニック」という。

ケトジェニックな食生活は高タンパク、高脂肪、低糖質なメニューが中心になる(後ほど詳しく紹介する)。ただ、あまりにも糖質に偏った食生活を送っていた人は、ケトン体を利用する回路が上手く回りだすまでに時間がかかる場合がある。そういう人は、いくらタンパク質を増やしても、いきなり糖質を0にするような極端な糖質制限をすると、エネルギーが不足し体調を崩してしまう。ケトジェニックに切り替える場合は、徐々に糖質を減らすようにしよう。

また、ケトン体が体内で増えると独特のケトン臭によって体臭が臭くなるとインターネット上で書かれているが、これもケトン体を利用する回路が回っていない状態で急激に極端な糖質制限を行った結果、エネルギーとして使い切れずに余ったケトン体が臭っているということなので、徐々に切り替えて体を順応させれば心配ないだろう。

午後の睡魔と夕方の疲れから解放される

ケトジェニックな体が手に入れば、午後からの仕事のパフォーマンスを上げることも可能になるのだが、その場合に知っておいてほしい注意点がある。食事から糖質を減らしただけだと、脂肪だけでなく筋肉も減少してしまうのだ。

筋肉の量はキープしつつ、脂肪をエネルギーに変えるためには、しっかりとタンパク質を摂ることが重要なのである。理想的なケトジェニック状態の体を手に入れるために、肉、魚、卵、大豆を積極的に食べるようにしよう。こういった知識を持たず、ネットからの簡単な情報だけで糖質だけを減らした糖質制限ダイエットやケトジェニック・ダイエットなどに挑戦すると、体重は減るが、同時に筋肉も減ってしまい、基礎代謝量が下がるので最終的にリバウンドしてしまうのだ。

これらの注意点を考慮しながら自分の体調に合わせて糖質を減らし、ケトジェニックな体になると、午後の睡魔から解放され、夕方も疲れ知らずで仕事をこなせるようになり、さらに自分の体に溜まった脂肪をエネルギーに変えるので体脂肪が減少し、引き締まった体形になれるという、スーパービジネスパーソンに変身できるのだ。