読売が「文在寅政権が金与正氏訪米の仲介図る」とスクープ

ところで、10月7日付の読売新聞が国際面にこんなスクープ記事を書いている。主見出しが「与正氏訪米の仲介図る」で、サブ見出しが「韓国、米大統領選前に」と「ポンペオ氏 訪韓せず時間切れ」である。

この記事では、韓国の文在寅政権が北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長の訪米の仲介を図っていたと、複数の日米韓協議筋が明らかにしている。金与正氏は金正恩委員長の実の妹で、彼の権限の一部を譲渡されているとされ、事実上、北朝鮮ナンバー2の地位にある。

非武装地帯の板門店で、韓国の文在寅が金正恩との2回目の首脳会談を前に、妹の金与正氏(左から2人目)と握手=2018年5月26日「青瓦台」(大統領府)発表写真
写真=AFP/時事通信フォト
非武装地帯の板門店で、韓国の文在寅が金正恩との2回目の首脳会談を前に、妹の金与正氏(左から2人目)と握手=2018年5月26日「青瓦台」(大統領府)発表写真

米朝首脳会談の次は米朝トップ級会談を狙う。韓国もなんとかアメリカ政府の信頼を得ようと、懸命なのだろう。

韓国は良好な日米関係を切り崩そうとしているのではないか

読売の記事によると、文政権はオクトーバー・サプライズを狙ったが、トランプ氏の感染によってポンペオ氏の訪韓が中止となった。暗礁に乗り上げている米朝非核化協議を再開させるため、韓国は米朝のトップ級会談の実施を検討した。韓国は「苦戦するトランプ氏に外交で点を稼がせ、恩を売れば北朝鮮に有利になる」と北朝鮮を説得した。

韓国は当初、大胆な決断ができる首脳会談を考えた。しかし、物別れに終わった2019年2月のベトナム・ハノイでの首脳会談のようになると、南北関係がさらに悪化すると判断。正恩氏の妹の金与正氏を代わりに訪米させる案に差し替えた。ナンバー2の金与正氏ならばトランプ氏やポンペオ氏との会談相手になるうえ、実務者協議の積み上げを主張するアメリカの理解も得やすいだろうと、韓国は考えたのである。

オクトーバー・サプライズを単純なトランプ氏は喜ぶかもしれないが、文氏は何としてでもアメリカに気に入られたいのだ。そのために作戦を練りに練る。策略家である。もしかしたら強固な日米関係を切り崩し、日本に取って代わろうと画策しているのかもしれない。文氏は日本にとって危険な人物である。沙鴎一歩は繰り返し主張しているが、文氏には大統領を辞めてもらうしかない。