間違っているのが韓国で、悪いのも文在寅政権だ

「コロナ禍の中、隣国との門が少し広がった。日本と韓国は今日から水際対策を緩和しビジネス目的の往来を再開する。この成果を、徴用工問題をはじめとする両国間にある課題の解決につなげたい」

こう書き出すのは10月8日付の東京新聞の社説だ。見出しは「日韓往来再開 合意重ねて信頼回復を」である。

東京社説は「日韓合計で実に年間一千万人を超えていた人的交流は、新型コロナウイルスの感染拡大により、約七カ月間ほぼ途絶えていた。ビジネス目的に限定されたものとはいえ、再開実現は朗報だ」と書いた後にこう指摘する。

「一方、両国間には難題が多い。まずは、韓国大法院(最高裁)が日本企業に元徴用工への賠償を命じた判決と、これに対する日本の対韓輸出規制問題だ」
「判決に従い、韓国で差し押さえられた日本企業の資産売却手続きも進んでいる。この問題に関して、日本と韓国の立場の差は埋まっておらず、平行線のままだ」
「今回の往来再開は、あくまで経済回復が目的だろう。しかし、両国とも局面打開の糸口として期待をかけているのは間違いない」

「局面の打開」「両国間にある課題の解決」は外交上、あるいはお互いの経済的利益上、重要なことではある。しかし、韓国は条約で日本と決めたことを無視した。国際ルール違反を犯していることは明白だ。間違っているのが韓国政府であるとの認識を、日本政府は堅持するべきだ。悪いのは文在寅政権なのである。

外交の基本は「自国の利益を優先すること」である

東京社説はさらに指摘する。

「先月二十四日に行われた日韓首脳の電話会談で基本的に合意してから、時間を置かずに実現したことからも分かる」
「茂木敏充外相は、今回の措置を発表する際、韓国をわざわざ『極めて重要な隣国』と呼び、『厳しい状況だからこそ国民の交流が大切だ』と強調してみせた」

10月8日に再開された日韓の往来は、確かに菅首相と文大統領による電話会談からすぐに実施された。しかし、だからといって元徴用工の問題が即座に解決できるとみなすのは甘すぎる。東京社説は策略に満ちた文在寅氏をどう見ているのだろうか。

東京社説は書く。

「菅義偉首相は、日本人拉致問題の解決に意欲を示し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との対話の機会を探っている」
「韓国の文在寅大統領は、その正恩氏と直接対話してきた仲だ。韓国の協力も必要になるはずだ」
「まずは今回のような小さな合意を積み重ね、当局間の信頼を深めていくことが大切だ」

日本政府は北朝鮮との会話の機会を探ってはいるが、いまの歪んだ韓国政府から協力を得てまで北朝鮮と対話しようとは考えていないはずだ。「合意を重ねることによってお互いの信頼感を高める」ことができれば、これほど素晴らしいことはない。しかし、外交はそんなに単純ではない。自国の利益を優先するのが、外交の基本である。