感染したこと自体は、非難されるべきではないが…
10月6日付の読売新聞の社説も毎日社説と同じく「トランプ氏感染 米政権の危機管理が甘すぎる」(見出し)と批判し、冒頭部分でこう指摘する。
「新型ウイルスには、誰もがかかりうる。感染したこと自体は、非難されるべきではない。だが、トランプ氏を始めとする政権中枢の認識の甘さと危機管理のまずさは指摘せざるを得ない」
「トランプ氏は国民に模範を示す立場にありながら、マスクを軽視する発言を繰り返していた。ホワイトハウスでは5月以降、職員らの感染が続いたにもかかわらず、社会的距離の確保やマスク着用などの規範が徹底されなかった」
マスクで100%防げるわけではないが、トランプ氏のようにマスクを軽んじるのは問題である。トランプ氏は大統領という重い職責をどう考えているのか。
読売社説はさらに指摘する。
「政権高官や上院議員、11月の大統領選を指揮するトランプ陣営の幹部ら各層に感染が広がっているのは、極めて深刻な状況だ」
「米国は感染者、死者共に世界最多を記録している。トランプ氏はウイルスが最初に蔓延した中国の責任を強調してきた。一方で、根拠なしに『米国での流行は終息する』とも述べていた。対中批判の説得力は弱まるのではないか」
「政権が優先すべきは、中枢での感染拡大の経緯を精査し、再発防止策を徹底することである。科学的根拠と専門家の助言に基づき、体制を立て直さねばならない」
いまからでも遅くない。再び入院するべきだ
今後、トランプ政権はホワイトハウスクラスターをどうやって収束させるつもりなのか。周辺に感染させる可能性のあるトランプ氏がホワイトハウス内にいる以上、感染がさらに拡大していく危険性がある。退院などせずに軍の医療施設で治療を続けるべきだった。いまからでも遅くない。再び入院するべきだ。せめて周囲に感染させないようになるまでの2週間は、入院を続けるのが常識である。
最後に読売社説はこう訴える。
「大規模集会で熱狂的な支持を誇示するトランプ氏の手法は、見直しを迫られる。民主党候補のバイデン前副大統領は、感染症対策を最大の争点に位置付け、政権の責任追及に一段と力を入れよう」
「トランプ支持者と反対派の感情的対立の激化が懸念される。平静さを保ち、選挙を円滑に実施することが何よりも大切である」
民主主義国家において選挙はその民主主義を実現するための大きなよりどころである。大統領選を己の利益のためにしか考えていないトランプ大統領は落選して当然である。