相手が挑発的な態度をとったときにはつい感情的になりがちだ。議論がヒートアップしてきたとき、互いに冷静さを保つためには、どんな態度をとればよいのだろうか。

強い感情のプレッシャーがあるなかで交渉することは、ネゴシエーターにとって最も厳しい挑戦の1つかもしれない。誰かに不快なことを言われたら、言い返したくなるはずだ。激しい感情――悔しさ、怒り、失望、不安、恥ずかしさなど――に襲われると、気をしずめて交渉を続けることなど不可能ではないかと思えるときがある。

医療機器メーカーのビジネス開発担当副社長、マークは、香港の販売代理店の販売担当副社長、フランシスと、販売契約の詳細について何カ月もかけて交渉してきた。マークは最終合意がまとまることを期待して、シカゴのオフィスにフランシスを迎える。ところが、最初の挨拶がすむと、フランシスは売り上げからの代理店の取り分を10%上げてくれと要求する。合意ずみと思っていた問題が蒸し返されたのだ。