バラ買いでもお得になる方法がある

ただし、旅行会社のパッケージ商品ならではリスクもある。

「Go Toトラベル」に限った話ではないが、交通と宿泊を伴うパッケージツアーは出発日の20日前、日帰り旅行は10日前から取消料が発生する。新型コロナウイルスの感染その他の理由で直前にキャンセルせざるを得ない場合は、首尾よく申し込んでお得な気になっていたはずが、かえって損することになる。旅をキャンセルしなくても、指定の列車に当日乗り遅れた場合は、切符が後続の列車乗車には無効となる商品もある。

旅行会社以外でのお得な予約方法もある。JR東日本は区間、席数限定で新幹線の特急券+乗車券が50%と「Go Toトラベル」以上の値引き率となる「お先にトクだ値スペシャル」を現在販売している。

これは乗車13日前まで販売の商品だが、人気の区間はすぐに売り切れる。販売サイトの「えきねっと」では、通常は乗車1カ月前発売開始のさらに1週間前から事前申し込みができ、予約の成否は発売当日の朝にすぐわかる。取消料は購入直後から発生するが、当日出発前まで1枚320円の手数料で済むため、やむを得ない直前キャンセルの場合も、通常の切符より有利だ。

自家用車での旅行には、高速道路料金が定額で利用できるETC周遊割引「ドラ割」と、宿泊予約サイト「STAYNAVI」で対象となる宿に申し込んだ金額の合計が1泊4万円以下の場合に、「Go Toトラベル」の補助対象となるキャンペーンを、NEXCO東日本が行っている。こちらは金額が4万円を超えると高速道路の周遊パスが対象外になるのでご注意を。

※編集部註:初出時、「宿泊代金が対象外になる」としていましたが、正しくは「周遊パスが対象外になる」でした。訂正します。(10月14日16時59分追記)

「オフピーク」を狙って密を避ける

「Go Toトラベル」を活用しようと直近、予約は急増しているようだ。先述の修善寺ツアーも宿泊予約はオンラインで即時に確定するが、「お問合せが集中しております」とサイトでも告知されている通り、新幹線の確定連絡までは4日間を要した。宿の中には昨年よりも前倒しで予約が入っている所もある。

「今週末、天気がいいから旅行でも」では当面、完全に乗り遅れることになるだろう。週末であれば1カ月前までには手配するか、そうでない場合は平日に出掛けるのも選択肢だ。リモートワークとなっている会社員は、通信手段があればパソコン持参で平日遠出もしやすくなった。ワーケーションプランと称して、作業用デスクやWi-Fiを完備した部屋を提供する宿も増えている。

旅行に出掛けたら思いのほか多くの人出に出くわして、感染リスクが心配の方もいるだろう。こんな時代の新しい旅のスタイルとしては、時期、時間、場所の「オフピーク」をお薦めしたい。

冬はスキーリゾートなどを除き基本的には各地オフシーズンになり、料金面や予約の取りやすさという面ではいいシーズンだ。週末1泊2日だけでなく1日休んで2泊3日にすれば、金曜に出発し日曜午前には現地を出る、または土曜午後にゆっくり出掛けて月曜に戻ると、時間のオフピークになる。

宿泊すれば名所巡りも朝早く、日帰り客で混む前に済ませることもできる。神奈川県は横浜、鎌倉、箱根以外への県内旅行には補助額を上乗せし、有名観光地以外への分散を促している。