老化が「治療」できたら、世界はどう変わるのか

デビッド・A・シンクレア/マシュー・D・ラプラント『LIFESPAN(ライフスパン)』(東洋経済新報社)
デビッド・A・シンクレア/マシュー・D・ラプラント『LIFESPAN(ライフスパン)』(東洋経済新報社)

最後にご紹介したいのが、第16位『LIFESPAN(ライフスパン)』。「人生100年時代」と言われるようになって久しいですが、それが「良い人生」につながるかは疑問です。というのも私たちが老後を考える時に注目しているのは、社会保障や医療の問題だからです。

しかし本書の著者であり、ハーバード大学医学大学院で遺伝学の教授を務めるデビッド・A・シンクレア氏は、「老化は病気の一種であり、治癒できるものである」と断言します。そして「100歳になっても、現在の50歳なみの活動レベルを保てる時代がやってくる」と予言するのです。

実際、老化の真因の解明は進んでおり、老化を「治療」するための方法や化学物質も、次々と発見されています。そういう意味で、本書の描く未来予想図は、決して夢物語とは言い切れません。「老化」という問題が解決されたとき、そこにあるのはこれまでとはまったく異なる世界です。来たるべき未来に備えておきたい方にとって、本書はマストバイと言えます。

先月第1位だった『「朝1時間」ですべてが変わるモーニングルーティン』が、今月も第4位と高順位をキープしました。また『人は悪魔に熱狂する』も、引き続き多くの方に読まれています(第13位→第19位)。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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