「数学が苦手」な人でも楽しく学べる本

永野裕之『とてつもない数学』(ダイヤモンド社)
永野裕之『とてつもない数学』(ダイヤモンド社)

続いて、第4位以下から、注目の書籍をご紹介します。

まずは、第5位『とてつもない数学』です。数学への苦手意識から、「数学アレルギー」をお持ちの方は少なくありません。しかし現代のビジネスパーソンに欠かせないと言われているロジカルシンキングや統計学、あるいはデザイン思考は、もとをたどればすべて数学にたどり着きます。そういう意味で数学は、今を生きる私たちに欠かせない教養といえます。

しかも本書には、おもしろい数学クイズが多数ちりばめられており、つい人に話したくなる数学ネタも満載です。イラストによる図解もついているので、パラパラとめくってみて、おもしろそうなところから手を付けてみるのもアリでしょう。数学に苦手意識がある人でも、気づけばハマってしまうはず。楽しみながら、いつの間にか数学の知識や歴史、さらには応用力も身についてしまう、なんともお得な一冊です。

自分を成長させる「攻めの読書」

三谷宏治『戦略読書[増補版]』(日経BP 日本経済新聞出版本部)
三谷宏治『戦略読書[増補版]』(日経BP 日本経済新聞出版本部)

第10位『戦略読書[増補版]』にもご注目を。娯楽のための読書がある一方で、自分を成長させるための読書もあります。特にビジネスパーソンにとっては、後者の読み方が欠かせません。そのとき漠然と役に立ちそうな本を読むのと、戦略をもって本を読むのとでは、その後の成長に大きな違いが出てきます。

経営に戦略があるように、読書にも戦略があります。本書が提案するのは、自身のキャリアステージや目的に応じて、読む本や量、読み方を動的に変えていく「攻めの読書」。『経営戦略全史』や『新しい経営学』の著者である三谷宏治氏が、その読書に関する知見を一挙公開しています。特にすばらしいのが、キャリアに還元される「戦略としての読書」と、人生をふくよかにする「体験としての読書」の両方が、バランスよく盛り込まれている点です。

これまで何を読んできたかで、その人の独自性は決まります。ぜひ本書を手に取り、今後の読書の指針としてみてください。