コンビニで体験価値をどうつくるか

デザートドリンク専門店とコンビニのコラボが増えた理由は何か。背景には、やはりコロナがある。

「バナナ専門店『sonnaバナナ』は、20分で賞味期限が切れるというフレッシュさが売りの人気店。ただ、店舗は広尾と八丁堀にしかありません。本来なら積極的に出店したいところですが、コロナ禍ではおそらくそれも容易ではないのでしょう。一方、自粛期間中の利用機会を調べた前述の調査で、『飲食店のテイクアウト』に次いで『増えた』の回答率が高かったのは、『コンビニ』でした(15~19歳は20.5%)。コロナで遠出はしなくなったものの、身近なチャネルとしてコンビニは注目されています。デザートドリンク専門店がコンビニとコラボするのもうなずけます」

コンビニも、デザートドリンクのニーズの高まりは感じているようだ。専門店とのコラボだけでなく、オリジナル商品の開発にも積極的だ。先駆けは、昨年5月からファミマが限定販売した「杏仁豆腐は飲み物です。」。また今年6月には、ローソンMACHI caféに「チーズティー」が加わり、コンビニのクオリティを超えていると話題になった。

はたして、コンビニで楽しめるデザートドリンクは、このままタピオカの後釜として定着するのか。松野氏は「体験価値をどうやってつくるのかがカギ」と分析する。

「ローソンのチーズティーは、自分でアイスティーにチーズミルクを上から注いで完成させます。自分で機械を操作する体験は案外面白い。店で友達と一緒に並ぶという体験価値の代わりに、コンビニでどのような体験をさせるのか。そこで若年層を惹きつけることができれば大ヒットにつながるかもしれませんね」

(聞き手・構成=村上 敬)
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