若者の危機管理意識は、本当に低かったのか

この夏、シャボン玉遊びが若者たちの間でちょっとしたブームになった。シャボン玉遊びというと童心をくすぐられるが、遊び方は現代風だ。夜に公園に集まりシャボン玉を飛ばすと、レトロ加工アプリの「Dazz-フィルムカメラ」で撮影。フィルターの効果でシャボン玉が光って見えて、エモい画像ができあがる。それをSNSで友達とシェアして楽しむのだ。

遊び方はスマホ世代らしいものに進化しているが、それにしてもなぜいま若者がシャボン玉を飛ばすのか。

サイバーエージェント次世代生活研究所研究員の松野みどり氏は、ウィズコロナ時代の若者の遊びの傾向について、次のように解説する。

「いま若年層に流行はやっているのは、“0密遊び”です。緊急事態宣言の解除後は一応外出できるようになったものの、以前のように、カラオケや飲み会など密閉、密集、密接の3密で遊ぶのは難しい。そこで屋外で距離を取って楽しめる遊びに注目するようになりました。公園で集まってシャボン玉を飛ばすのも、0密遊びの1つです」

コロナの第2波でふたたび感染者が増えたとき、若者は戦犯扱いされた。若者がコロナで重篤化するケースは少ないが、それをいいことに外出して感染を広げ、高齢者など重篤化しやすい人たちの命を危険にさらしたというわけだ。しかし、若者の危機管理意識が低ければ、ソーシャルディスタンスに気を遣う0密遊びは生まれてこない。

カメラアプリ「Dazz-フィルムカメラ」を使って撮影したシャボン玉の写真
写真=筆者提供
カメラアプリ「Dazz-フィルムカメラ」を使って撮影したシャボン玉の写真