東日本大震災の対応で失敗を重ねた旧民主党
自民党は9月14日、都内のホテルで党大会に代わる両院議員総会を開いて総裁選を行い、菅義偉氏(71)を新総裁に選出した。菅氏は16日召集の臨時国会で第99代首相に指名され、新内閣を発足させた。
ちなみに総裁選での獲得票数は菅氏が377票で、政調会長の岸田文雄氏(63)が89票、元幹事長の石破茂氏(63)が68票だった。今回の自民党の総裁選は全国の党員による投票が省かれ、国会議員中心で行われた。
その結果、菅氏が新総裁になることも、石破氏を最下位になることも、党内派閥の事情や安倍晋三首相の思惑で固まっていた。要は自民党内の硬直化した体質が作用した格好だった。
これに対し、合流新党の立憲民主党はまだ新鮮だ。その新鮮さをうまく生かせばいいのだが、代表の枝野氏が出てくると、どうしても2011年3月11日の東日本大震災の対応で失敗を重ねた旧民主党を思い出してしまう。
鳩山氏の「韓国への謝罪」はまったく効果がなかった
当時、枝野氏は官房長官だった。毎日、真新しいグレーの作業着で現れては、官邸詰めの記者たちの前で会見を行った。その姿はテレビを通して国民の目に焼き付いた。
旧民主党のひどさの象徴といえば、福島第1原発事故直後に菅直人首相(当時)が混乱する現場の原発をヘリで視察してベント(排気)作業を妨げたことだろう。その後、第1原発では水素爆発が起きてしまった。
菅政権の前の鳩山由紀夫首相(当時)もひどかった。たとえば、2015年8月、韓国ソウル市内の西大門刑務所跡地を訪問し、日本の朝鮮半島統治に対する謝罪としてひざまずきながら頭を下げた行為は、一国の首相としてあるまじきものだった。「宇宙人」と呼ばれる意味がよく分かる。
こんなことで韓国が折れるわけはない。それが証拠に鳩山氏の「謝罪」はまったく効果がなく、韓国の日本に対する謝罪要求はエスカレートするばかりだ。
「合流新党に菅直人氏や小沢一郎氏ら旧民主党の実力派議員も加わった」と前述したが、小沢氏の存在も妖怪のように不気味だ。こうしたベテランを受け入れたことで、合流新党の立憲民主党の印象は決してよくない。
立憲民主党にとっての最重要課題は、旧民主党の悪いイメージを払拭することである。これを消し去ることができなければ、政権交代など夢のまた夢である。