30代半ばで勤務先が倒産した兄「俺は税理士になって独立開業する」

現在無職の兄は大学卒業後、正社員として就職して一人暮らしをしていましたが、勤務先が倒産。30代半ばで失業してしまいました。同じようなことが起きるのはイヤだと考えて再就職はせず、簿記の資格をバージョンアップして、税理士として独立開業を目指しています。

母は、資格取得までのしばらくの期間であればと久しぶりの息子との暮らしを歓迎し、一人暮らしの母を心配していた女性も兄の実家暮らし(子ども時代の自分の部屋)を歓迎したのでした。

それなのに、兄は独立開業どころか、いつまでたっても資格を取得できていません。就職先で簿記の資格を取得した兄は、さらに税務の知識があると仕事に役立つと勉強を続けていたのですが、失業を機に税理士資格の取得を思い立ちました。

ドアノブに手を当てドアを開ける
写真=iStock.com/monzenmachi
※写真はイメージです

税理士の資格取得には5科目の試験に合格しなければなりませんが、一度に全科目ではなく、1科目ずつ合格していけばいいので、女性にも母親にも税理士取得は現実的なプランに感じられたと言います。

勉強に支障があるからという理由で、兄は定期的なアルバイトをしたことはありません。時々、単発のアルバイトで小遣いを稼いでいるようですが、家計にお金を入れることはありません。資格取得のための学校は、最初の1年間通っただけで、以降は在宅で勉強しています。おそらく手持ち資金が底をついたのだろうと、女性は推測しています。

友達と遊びに出かけることもないので、女性と母は、このままひきこもりになってしまうのではないか、いや、これはもうひきこもりになっているのではないかと危惧しています。

兄は不定期バイトで月数万円収入も、家計に1円も入れていない

母は離婚前からの勤務先を60歳で定年退職しました。母一人の老後であれば、それまでのたくわえと年金で生活は何とかなりそうでしたが、楽しみにしていた旅行資金をゆとりあるものにするために、再就職して65歳までは収入を得る計画でした。

それが、今では息子2人との生活を支えるものとなっていて、65歳を過ぎても仕事を辞めることができずにいます。

現状、母の手取り収入は月15万円、年金が月12万円、これに個人年金が月5万円あり、計32万円。兄は不定期のアルバイトで月数万円あるようですが、家計に1円も入れていません。支出は、母と兄の食費や水道光熱費などで月28万円。よって、母は仕事を辞めることはできません。

ただ、勤務先の都合で2年後には退職を勧められる可能性が高く、収入が途絶えてしまいそうです。体力的な理由やいまさら新しい環境に慣れることへの不安から、再々就職は現実的ではありません。

兄が当初の計画どおりに独立開業できるのが理想ですが、資格の取得がいつになるのかわかりません。それならば、少しでも早く就職して安定した収入を得てほしいというのが、今の女性と母の願いです。

自分たちの願いを伝え、兄の将来のこと、お金のことなどを話し合いたいと思うけれど、その気配を察すると本人の機嫌が悪くなって室内にこもってしまうので、きちんと話し合えずにいます。