ジャック・マーは人間力の天才だ
最近、学生や若い世代と話していると、起業することに関心があるということをよく聞く。そして、時代を反映してか、ITや人工知能に興味を持っているという人が多い。
そんな彼らは、「やっぱり、プログラミングを勉強していなければダメですかね」としばしば言う。「言語は何をやればいいんですかね」などと質問してくることもある。
「いやあ、プログラミングの知識やスキルがあるに越したことはないけど、別に要らないんじゃないかあ」と答えると、「えっ、そうなんですか」と驚く。
ビジネスで成功するために、何かをきちんと勉強したり、スキルを身に付けたりしなくてはダメだと思うのは立派なことだけれども、それが行きすぎると弊害が大きいし、むしろ障害になることもあると思う。
実際には、起業したり、ビジネスで成功したりするうえで、ある特定の知識やスキルが絶対に必要だということはない。むしろ求められるのは全く別の能力だ。
中国発で、世界中でビジネスを展開する「アリババ」の創業者であるジャック・マーは、ITのスキルが卓越しているわけではない。実際、一行もプログラムを書いたことはないと自分自身で認めている。それでも、世界有数のIT企業を創始し、富豪になることができた。