コロナ禍で飲食店が苦しんでいる。どうすればいいのか。経営コンサルタントの坂口孝則氏は、「提供できる“価値”の定義を変えていく必要がある。そうすれば500円の定食を1万円で買ってもらう方法も見つかるはずだ」という——。

※本稿は、坂口孝則『1年仕事がなくても倒産しない経営術』(ハガツサブックス)の一部を再編集したものです。

唐揚げ定食
写真=iStock.com/kazuhide isoe
※写真はイメージです

これまでの“馴れ合い”商習慣を捨てるチャンス

これまでの事業を捨てる覚悟でゼロから見直そう。

それが、ポスト・コロナの、人が集まらない時代を生き残っていくための大前提だ。これまでなんとなく成り立ってきた商習慣は、これからは通用しなくなる。いや、今がその馴れ合いの習慣を覆す絶好のチャンスともいえるだろう。

飲食店は悲惨な状況にある。というのも、飲食店とは定義上、不要不急かつ3密が前提にある。それが否定されているのだから、経営が大変なのは当たり前だ。

さらに、デリバリーやテイクアウトが生き残り策だとされている。それは間違いない。店舗に誰も来てくれないのだからしかたない。だから現在、ゴーストキッチン、ゴーストレストランなる言葉が登場している。これは客席をもたずに、調理場だけがある形態だ。飲食店では家賃がコストの多くを占めるので、できるだけ小さな厨房だけのスペースで切り盛りする仕組みだ。