質問の受け答えもさることながら、相手が退屈そうな様子をしていることを察知したときも(プレゼン格差22)プレゼンテーションにおける最大の難関といえそうだ。

<strong>プレゼン格差<22></strong>相手が退屈そうなとき「ネタをはさむ」vs「意見を聞く」
図を拡大
プレゼン格差相手が退屈そうなとき「ネタをはさむ」vs「意見を聞く」

2000万円稼ぐ人は、「相手が退屈」にしている責任が自分にあると考えて、「説明方法を変える」(33.0%)、「小ネタをはさむ」(26.5%)などの積極的打開策に出る。500万円台の人は、退屈の原因が自分にあることに気づいていないようで、相手に「意見を聞く」(43.7%)と言っている。

「つまらない」という顔をしている人に、「何か不都合がありますでしょうか」とでも尋ねようものなら、「内容がつまらない」「君の説明を聞いていること自体が時間の無駄だ」などと言われかねない。

そんな不甲斐ない体験をしないためにも、体勢を立ち直らせる術を身につけておきたい。そこで力を発揮するのが、機転の利いた「小ネタ」の数々である。

小ネタ自体は日頃から仕入れておく必要があるが、例えば英語での教材開発の案件の商談中に、「私ごとですが、最近ダイエットを始めましてね。DHCのサプリメントを飲んでいるんですが、DHCは“大学翻訳センター”の略称だって知っていました? 実は英語ができる会社なのかもしれませんね」など、少し関係しそうな豆知識をプレゼンテーションのテーマにうまくひも付けて披露できれば、もう一度相手の興味を引き戻せる可能性が高い。

「説明方法を変える」のも「小ネタをはさむ」に次いで難易度が高い。多くの経験を積んでいる必要があるからだ。

最も対応が簡単なのは「切り上げて出直す」であるが、この手が通用するのは若手である20代までと考えておいたほうがいい。それ以上の人は難易度の高い対応スキルを磨いておく必要がある。

(大熊文子=構成 取材協力=レイス)