上沼恵美子「突如降板」のウラに「コロナ鬱」があるのか
関西の大御所タレント・上沼恵美子さんが25年間司会を続けたトークバラエティ番組「快傑えみちゃんねる」(関西テレビ)が、7月24日の放送で突如終了した。
終了の経緯に関しては、上沼さんが出演者へパワーハラスメント発言をしたことや、その対処法を巡りテレビ局と齟齬があったことなどが原因となり、自ら「辞めると言った」と一部メディアで報道されている。
筆者が心配に思うのはその頃に、上沼さん本人がコロナによって精神的に不安定な状態だった可能性があることだ。
自ら出演するラジオ番組で「いやな世の中になったな、改めて。何にもできないじゃない。コロナ鬱ってあるけど、ちょっと私もそうやな。今」と暗いトーンで語っていたのだ。
彼女が実際そうであるかは不明だが、うつ状態が賢い人間にバカな決断(この最悪のものが自殺である)やバカな思考に導いてしまうことがしばしばある。
「もう一生、まともな仕事につけない」「自分は人生の落伍者だ」
うつ病というのは、さまざまな症状が生じる心の病だが、その中に悲観的な認知というものがある。たとえば、失業しても正常な心理状態であれば、職探しであれ、自分の適性の判断であれ、再就職に有利な資格を取ろうといった形で建設的な判断ができるのが通常である。
しかし、うつ状態やうつ病(失業のせいで発症したものも含む)の時は、「もう一生、まともな仕事につけない」とか「自分は人生の落伍者だ」などと決めつけて、自暴自棄になったり、再就職活動に身が入らなかったりして活動を放棄してしまうことがある。その結果、症状が悪化してしまう。まさに悪循環である。
この悪循環の行きつく先は何か。悲観的な将来予測は絶望感につながり、生きていても仕方がないといった誤った判断となり、最悪の場合、自殺ということになってしまう。
日本では自殺した人を生前の活躍などを引き合いにして美化する傾向があるが、少なくとも自死という選択は、本人の「知的レベル」から考えると賢明な選択でないのは確かである。また、それによって別な人物の自殺を誘発してしまうこともある。WHO(世界保健機関)などの「自殺報道のガイドライン」でも避けるべきこととされている。