差がつく習慣【3】集中力が続かないときは

●築山先生からのアドバイス

集中力の高い状態とは、脳の基本回転数が上がっている状態といい換えることができます。脳の基本回転数とは、何か問題を解決すべきときに素早く的確な判断ができる脳の力量のことです。

基本回転数が速さだとすると、基本回転数×時間で距離(仕事量)が導かれます。ただ、残念ながら脳の基本回転数を自分の意思で上げることはできません。私たちにできるのは、時間と仕事の量の関係を意識することだけです。つまり、「この仕事をこなすには、これだけの時間しかない」という状況を意識することによって、間接的に集中力を高めるしか方法がないのです。

この性質はみなさんもご存じでしょう。試験を受けたときや、用事があって残業できないときなど、いつもより集中して問題や仕事に取り組めたことがあるはず。あのときの集中力は、時間の制約によってもたらされていたわけです。

時間の制約は、普通で1時間、長くても2時間が限度です。それより多く制約を設定すると、時間と仕事の量の関係がうまく把握できずに基本回転数が上がりません。ただ、基本回転数が一度上がると、その状態はしばらく維持されます。この性質を利用して、時間の制約を設けることで集中力を上げ、その勢いで他の作業をこなすというパターンで脳を働かせれば、効率的に仕事ができます。

集中したくても、まわりの様子が気になったり、イライラが募って基本回転数が上がらないことがあります。これは思考系より感情系の機能が活発になっているからです。この場合は仕事をいったん中断して、脳に変化をつけるといいでしょう。例えば別の場所で仕事をしたり、軽く体を動かせば、脳は環境変化への対応で精一杯になり、感情にかまっていられなくなります。