ジャガイモ不足と商品名認知不足

ひとつは、2016年の「ポテトショック」だ。通常、国内のジャガイモは5〜11月に収穫し、翌年4〜5月まで使い続けるが、2016年は台風の影響で収穫不足となり、各社ポテトチップス商品の欠品が相次いだのである。しかも収穫できたジャガイモも、台風の影響で傷みやすくなっていた。収穫不足と品質の問題が重なり、「プライドポテト」は市場に十分な量を供給できなくなってしまう。

そこに追い打ちをかけたのが、ブランディングの迷走である。「実は、今回のプライドポテトは5代目なんです」と説明するのは、湖池屋マーケティング本部 マーケティング部次長・野間和香奈氏だ。

市場に絶大なインパクトをもたらした初代について野間氏は「『すごいポテトチップスが出たらしい』と話題にはなりましたが、相当なファンの方以外は商品名すら認知していない状況だった」と振り返る。

パッケージデザインが「迷子」になっていた

歴代のパッケージを見比べてみよう。初代は確かに洗練されているが、商品名が「KOIKEYA PRIDE POTATO」と英語表記で認識しづらい。フレーバー(味)表記の文字も小さめだ。

歴代のパッケージ
左から、初代(17年2月発売)、2代目(18年2月発売)、3代目(18年10月発売)、4代目(19年4月発売)の「プライドポテト のり塩」(写真提供=湖池屋)

2代目(2018年2月発売)では、フレーバー表記を大きく読みやすくし、初代では整然と並んでいたポテトチップスの写真を、一般的なポテトチップス商品同様に「盛りつけた」状態に変更。そのほうがおいしそうに見えるという消費者調査結果があったからだ。しかし大幅な売り上げの回復にはつながらなかった。3代目(2018年10月発売)は2代目の“盛り付け”写真を踏襲しながら、刷新のポイントであったうま味調味料、香料無添加を押し出したものになっている。

4代目(2019年4月発売)では、ポテトチップス写真を輪切りにしつつ、「日本のポテトチップスメーカー」である矜持(プライド)を表すべく、日の丸を想起させるデザインに。「それが消費者にとっての価値だと思っていたのですが、調査すると意図は理解されていたものの、好意にはつながらなかった」(野間氏)。やはり売り上げは回復しない。

野間氏は「4代目の時点で、完全に迷子になってしまっていました」と笑う。