流通から怒られた「神のり塩」

「今は俗語で“マジ神”なんて言いますから、もはや一般語。だから『神のり塩』です。ただ、流通さんからは最初『ふざけてるのか』と言われまして(笑)。だから理由書を書いて提出したんですよ『世の中では“超”と同じく、“すごい”の置き換え言葉として“神”が普通に使用されている。40代や50代も“神“が“すごい”の意味だとわかっているという調査結果が出ているので、大丈夫です』と」
「『衝撃のコンソメ』は、テレビ番組で“衝撃映像”という言葉がよく使われるので、『みんながびっくりするほどのコンソメができたよ』という意味を込めました。コンソメ好きの方はよく『最近のコンソメは薄い』とおっしゃるので、彼らに対しての訴求でもあります」(野間氏)

現在ののり塩とコンソメ
写真提供=湖池屋
「神のり塩」と「衝撃のコンソメ」

筆者は40年近くカルビーの「コンソメパンチ」を食べ続けているコンソメ好きだが、他社の気取ったコンソメフレーバーの中にはマイルドな風合いのものも多く、物足りないこともある。この訴求は確かに正しい。

最後まで迷った「芋まるごと」のネーミング

「うす塩味は、うまみ調味料や香料を入れない“無添加”を掲げているんですが、無添加“なのに”さらにおいしくなったことに驚いてほしい——そんなうれしげな気持ちを『感激』に込めました」
「『芋まるごと』はいちばん難しくて、実は最終案で『芋まるだし』と迷ったんですよ。出汁(だし)を使っているから、『丸出し』の“出し”と“出汁”を引っ掛けて。ただ、『お尻まるだし』みたいなイメージでとらえる方がいないとも限らないので(笑)」(野間氏)

うすしおとまるごと
写真提供=湖池屋
「感激うす塩味」と「芋まるごと」

「芋まるごと」は“食塩不使用”をうたっているが、味がついていないわけではなく、北海道産昆布などのうまみでフレーバーが設計されている。「まるだし」で出汁を全面アピールするのも、それはそれで名が体を表しており、悪くないように思う。