できないことだけを指摘するのが「C」ではない

多くのビジネスマンにとって、PDCAはあまりワクワクする言葉ではないだろう。どこか管理されているというイメージがつきまとうからだ。特に「C」のチェックでは、できていないことを指摘される。あまり気分のいいものではない。

しかし、本来のPDCAの「C」は、できていることもできていないことも両方チェックするものであり、できていないことだけをチェックするものではない。できていることは、「できていて当たり前」ではなく、認めて褒めるべきなのだ。

中学受験の勉強にPDCAを取り入れるお父さんは、褒めることを忘れている。できていないことばかりを指摘されて、なにクソ! と頑張れる子は、今の時代にはまずいない。やる気をそがれ、もう受験なんてやめたいと投げやりな気持ちになるだけだ。

「何を」よりも「どのように」重視でプランを立てる

では、中学受験の勉強にPDCAを取り入れることはできないのか。そんなことはない。やり方に気をつければいいのだ。まず、「P」では「何をやらせるか」より、「どのようにやるか」を重視してほしい。「何をやらせるか」に気持ちが行ってしまうと、あれもこれもやらせたくなってしまうからだ。多くの場合、お父さんが立てるプランにはムリがある。お父さんが考える受験スケジュールは、本人は気づいていないけれど、自身の高校受験や大学受験を重ね合わせていることが多い。だが、相手は小学生であることを忘れてはいけない。お父さんが小学生だった時に、これと同じことができただろうか?

プランを立てる時は、「何をどのように勉強するか」をできるだけ詳しく書いておいた方がいい。計算問題ならスピーディーに、文章問題ならじっくり考えて解く。その時に暗算で解くのか、計算跡を残して解くのかなど、具体的に書いておくと、子供はそれを意識する。

ただ、エクセルではそこまで細かくは書けないだろう。そこで、エクセルに書く予定はおおまかに、具体的にやることは手書きを勧める。例えば、A3サイズにプリントし、空きスペースに書き込んでいくと一目で分かる。「宿題に取りかかる時は、まず覚えてからやる」「小テストで2回満点を取ったら、その週はもうやらなくてOK」など、具体的に書き出しておくと、子供は取りかかりやすくなる。