デメリットも目立つ

外貨建て保険は円建ての保険に比べると利回りも高く、外貨を保有することでリスク分散のメリットがあります。ただ、メディアなどの特集記事を見ると、デメリットも目立つようです。

「保険」というものの、死亡保険金について、災害死亡以外は払い込んだ保険料あるいは解約返戻金相当額しか返ってこず、保障機能はあまり期待できません。

また、外貨建て保険は投資信託や外債などの投資性金融商品と比較すると利率が低く、保険会社の経費も運用益から引かれるため、実際の利回りは、積立利率を下回ります。

さらに、購入時と換金時の両方で為替手数料がかかり、販売手数料も6~8%程度と、円建て保険や、近年コストダウン競争が激化している投資信託よりコストは割高です。

保険料を平準払いで毎月支払っていく場合は、ドルコスト平均法によりリスクが低減されますが、一時払いの場合、購入時の為替レートに大きく資産価値が左右されることも気を付けるべきです。外貨建て保険の苦情やトラブルもシニア契約者の一時払いのケースがほとんどです。

さらに、10年以内に解約すると解約控除費用が発生するため、受け取る金額はさらに目減りする計算となります。

要するに、外貨建て保険は、保険と金融商品としてのコストがダブルでかかるということ。単純に資産運用という面で見るのであれば、金融商品を選択したほうが割安です。

ですが、保険料に対する「生命保険料控除」や契約者が亡くなった際に、生命保険の非課税制度(限度額は「500万円×法定相続人の数」)が利用できるなど、税制上の恩恵が受けられます。

また、配偶者や親などの2親等以内の中から受取人を選ぶのが一般的ですが、保険会社によって、独り身で身寄りがないなどの特別な事情があれば、それ以外の中から受取人を選択するなど、自分で受取人を決められるのも利点です。

基本的に私は、「金融商品に罪はない」と考えています。重要なのは、それを販売する側が「適合性の原則」に則って、ニーズやリスクに応じた顧客に販売し、それを顧客が正しく理解できるかです。

制度を正しく理解すると、「外貨建て保険はナシ」とは必ずしも言えないのです。

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