「破格のテコ入れは、克行容疑者が政権中枢に近いため」か
読売新聞の社説(6月19日付)は事件の背景をこう指摘する。
「事件の背景には、選挙の熾烈さもあったのではないか。改選定数2の広島選挙区に、自民党は6選を目指す元閣僚に加え、党本部主導で案里容疑者を擁立して、野党推薦の候補らと争った」
「地元県連が反発したことから、党本部は支援を得られなかった案里容疑者側に、1億5000万円を提供した。破格のテコ入れは、克行容疑者が政権中枢に近いためとの見方がある」
「6選を目指す元閣僚」とは溝手顕正氏のことだ。溝手氏は国家公安委員長や内閣府特命担当相(防災)も務めたことがあった。
買収資金の原資は、事実上、血税である可能性が高い
この後、読売社説は「買収の資金は、どこから捻出されたのか。夫妻の選挙資金の流れを洗い出すことが重要だ」と指摘し、自民党と安倍首相にこう注文する。
「夫妻は離党したとはいえ、自民党が税金を原資とする政党交付金を受け取っている以上、党にも一定の説明責任が生じよう。総裁である安倍首相は国民の厳しい視線を認識し、党内に順法精神を徹底させることが欠かせない」
買収資金の原資は、事実上、血税である可能性が高い。それゆえ、自民党が国民に説明するのは当然である。それに日本は法治国家だ。順法精神も当たり前のことである。
自民党と安倍首相に対する注文が甘い。読売社説にはもっと厳しく主張してほしかった。