顧客に伝わる情報は事前準備した内容の6、7割

管理職はパイプラインとスケジューラーの入力情報について、質問やフィードバックをしましょう。日報を中心に管理職と担当者の間でコミュニケーションを行っている場合は、徐々にパイプラインとスケジューラー中心へ移行することをお勧めします。パイプラインは、統一されたフォーマットを活用しましょう。

管理職は担当者の大事なアポイントなど、重要な業務に関する記入を注意深く観察すべきです。記入内容が具体的であるほど、担当者がきちんと実行している確率が高いと言えます。

一方で、顧客名と商品名のみが“とりあえず”記入されているケースは、実行されていない可能性が高いです。経験則では、事前に準備した内容の6、7割しか顧客に伝わりません。何も準備しなければ、その時点での「思いつき」で顧客と話すことになります。

この場合、コミュニケーションの質に大きな個人差が生じ、受注確率に大きく響きます。スケジューラーに事前の準備に充てる時間が書き込まれているとなお良いでしょう。記入された準備の質を観察することで、その担当者の仕事の質も推測できます。

数字やデータで管理する仕組みが必要不可欠

ここまでお伝えしてきたように、このやり方が習慣として馴染むまでには時間もかかります。ただし成果は必ずついてきます。

新しい生活様式でも成果を出すためには、担当者の個人的スキルや頑張りだけに依存することなく、数字やデータで管理する仕組みが不可欠です。ただ担当者に「入力しても何もメリットがない」と思われてしまうと進みません。

今回お伝えしたように経営戦略にひも付き、担当者に適切なサポートを提供することが大切になるでしょう。これが新しい時代の報連相なのです。

いま政府もIT補助金制度を充実させ、顧客管理やバックオフィスのDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを支援しています。テレワークも掛け合わせ、どのような環境でも数字に強い組織へと変貌できる環境が整いつつありますので、ぜひ御社でも実践してみてください。

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