目標を再設定し3つのアクションプランに落とし込む

残りの期間を前年同期比7.5%増で進めなければ目標達成できません。高橋部長は、小林課長らと協議し、新たな目標を実現するプランを設定しました(図表2参照)。

【図表】2020年度Q1の粗利は前年同期比マイナス20%、Q2-Q4を以下のようにし2019年度対比フラットを目指す

営業部門が目標達成のために立てた戦略は既存顧客の深堀りと新しい分野の入札参加です。新規顧客を開拓するよりも、既存顧客のなかで新たな商材の営業攻勢をかけたり、入札に新しく参加したりすることで目標達成に近づくと判断しました。

図表3のように着地目標を設定し、営業部門の4つの分類に細分化します。それぞれ前年同期比で、「定期購入」は増減なし、「入札」は10%、「新規」は40%と増えることを目標の目安にしました。

【図表】2019年度比フラットを実現するための、Q2-Q4の粗利と必要商談額

高橋部長は実現のため3つのアクションプランを提示しました。

まず、内勤での営業時間の引き上げです。営業担当者は既存顧客に別の商品を売り込む「新規」に集中させ、設定した商談金額を達成できる環境を作ります。

次に「定期購入」「入札」「口座開設」は基本的に内勤で対応することにしました。入札情報をくまなく探したり、過去に開いたセミナーで得た顧客先候補の情報を元にしたりといった接触活動に取り組みます。

最後に、スケジューラーを活用し報連相の時間を減らすことで、報告のための会議は廃止し、過去の謝絶案件の再検討、最近の成約例の水平展開を営業部内でも話し合い、新規提案の数を増やすことに注力しました。各担当者の商談金額に落とし込んだことにより精緻な時間配分ができるようになります。