ペンゲリー氏は自分の子どもに対して「これをしちゃダメ」(Don't do this)という言葉は使いません。否定的な言い方をしないわけです。その一方で、「これやってくれるかな、お願いね」(Can you please do this?)という言葉をよく使います。相手(子ども)を尊重しながら、厳しい強制は避けるのです。
この結果、言葉のキャッチボールが楽しくなります。子どもは喜んで行動を起こします。家事手伝いにも積極的に参加するそうです。
ノーを言わないオーストラリア式の子育ての効果
オーストラリアでは日本と比べて子育てのルールがかなり緩いといいます。つまり「○○しなければいけない」という固定観念が薄く、「そういうこともありかな」と親は考えるそうです。親は子どもに対してめったに「No」と言いません。だからどうしても譲れないときに、親が「No」と言うと大変効果があるそうです。
オーストラリアの文化を日本人がそのまま全部まねるのは難しいかもしれませんが、「No」を連発しないという育児法には大いに学ぶべきものがあります。
そしてペンゲリー氏の見るところ、東洋人は西洋人に比べて明らかに子どもが親の手伝いをしないそうです。そしてその東洋人のなかでも、日本人はもっとも手伝いをしない、勉強さえしていれば、家事を手伝わなくても許されてしまう――そんな特徴が日本の子どもにあるとペンゲリー氏は断言します。
お子さんが3~4歳になったら、「これできる? お手伝いしてくれたらうれしいな」と声をかけてみてください。これはマジック・ワードです。
親子の言葉のキャッチボールが密になり、生活力のある子どもが育っていくことでしょう。日常の言葉遣いを変えてみるだけで、びっくりするほど親子関係が変わります。