「東京を知らない地方の人」が買うのがタワマン

築地市場の移転問題で、すっかり負の話題を提供されてしまった東京の豊洲であるが、豊洲に限らず、タワマンが林立する土地の多くは埋め立て地で、しかも以前の工場や倉庫などの跡地だ。大地震が発生したときは、多くの土地で液状化現象が生じることが予想される。

牧野知弘『不動産で知る日本のこれから』(祥伝社新書)
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液状化で地下から噴出する「液」というと、あの豊洲市場の地下水を連想する人が多いのではないだろうか。自分たちがどんな土地の上に住んでいるのかも、クローズアップされるのだ。

実は昔からの東京人で、湾岸エリアのタワマンを買う人は少ない。このエリアの以前の姿をよく知っているからだ。お台場が東京だと憧れる、「東京を知らない地方の人」が買うのがタワマンなのである。

不動産を買うには、地歴が大切だ。地歴とは、昔その土地に何があったのか、どんな歴史が潜んでいるのかを語る重要な資料だ。タワマンは地歴で買うには「お買い得」ではけっしてないのである。

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