消毒液となったスピリッツがバカ売れ

30位:スピリッツ・リキュールも、111.9%(2月3日)→152.9%(4月20日)に増えている。宅飲み増加による影響かとも考えたが、アルコール飲料に特化したデータを見ると、意外にもそれ以外のウイスキーやワイン、焼酎、低アルコール飲料などは増えていない。むしろビール類は前年を割り込んでいるくらいだ。そもそも度数の高いスピリッツやリキュールを自宅で日常的に飲む人が多いとも考えられず、むしろ売り切れた殺菌消毒剤代わりに使用しているのだろう。それに伴い、21位:洗浄綿や29位:ペーパータオルも売れている。

では今度は、自粛生活で「売れなくなった商品」を見ていこう。こちらは出勤がなくなった結果、不要となった品々のオンパレードだ。むしろ出勤義務がなければ、これほど節約できるのかという新鮮な驚きすら湧いてくる。

売れ行き激減は、「出勤時に必要だった品々」

もっとも多いのは、「(基礎)化粧品」など女性美容のカテゴリーである。2位:口紅、3位:日焼け止め、7位:ほほ紅、8位:ファンデーション、9位:おしろい、10位:化粧下地、14位:アイシャドウ、24位:アイライン、26位:香水・コロン、28位:美容液。

本来なら3、4月は美容業界にとってはかき入れ時だ。新年度に伴い、大学入学や就職で心機一転、フルメーク装備でイメージチェンジを狙う女子も多い。季節の変わり目で、これまでの冬用の質感や色味から、春用の軽やかなテイストへと切り替わる時期でもある。日々増える紫外線対策として、化粧下地や日焼け止め、美容液も欠かせない。にもかかわらずこの結果である。美容業界の痛みは相当なものだろう。なかでも口紅は4月20日時点で前年比26.3%にまで激減している。せめて顔の他の部位は最低限取り繕いスーパーに赴く人も、口元はマスクをするため口紅はまったくの不要となる。