巣ごもりで、家で食べる人が増えた

まず「内食増加」だが、「緊急事態宣言」の発令により、人々の外食率は一気に低下した。代わって増加したのが、ウーバーイーツなどの宅配サービスやテイクアウト、総菜などを買って自宅で食べる〈中食〉と、家庭で自ら調理して食べる〈内食〉だ。

なかでも昼食の内食率が増えている。本来なら給食でお昼をとる子どもや、社食や外食でランチをする大人が、こぞって家で昼食をとるようになったのだ。たまには〈中食〉もいいが、毎日のこととなれば経済的にも〈内食〉比率を高めざるをえない。それでも大人だけなら、朝食と昼食を合わせて軽く済ませることもできるが、子どもがいるとそうもいかない。勢い増えるのが、オムライス、チャーハン、カレー、スパゲティ、ラーメン、ピザ、ホットケーキ、お好み焼きなどの、要は粉物&淡水化物のオンパレードだ。ちなみにどの家庭からも「米の消費量が半端ない」という恐怖の声が響いてくるが、今回のデータには表れていない。おそらくはキロ単位で購入する米は、宅配サービスを利用する家庭がほとんどだからだろう。

なぜか、にわか手づくり菓子ブームが…

もう一つは「お菓子づくり増加」だ。同じくインテージ調べによると、自粛期間中の自宅での過ごし方で増えたのは、1位:インターネット動画視聴、2位:テレビ視聴、3位:料理/菓子づくり、4位:家の掃除/メンテナンスだという。この際、料理や菓子作りの腕を磨くという人もいれば、休校で時間を持て余す子どもたちと時間つぶしに菓子づくりに挑戦する家庭も多い。菓子やパンの都度買いが財布に与えるダメージ回避のため、あるいは健康面考慮の観点からも、手づくりパンも人気である。今回の調査対象には含まれていないが、家電製品のホームベーカリーもよく売れている。

このように眺めてきた「売れた商品」の数々だが、地味に目を引いたのは、27位:低周波治療器と、30位:スピリッツ・リキュールだ。低周波治療器は、金額前年比88.7%(2月3日)→156.4%(4月20日)に増加している。在宅勤務者が増え、「恵まれた職場環境と違い、自宅の慣れない高さのテーブルと椅子で腰を痛めた人々が駆け込んできている」、とマッサージ店で聞いたのは3月後半の頃だ。その後、緊急事態宣言で軒並みマッサージ店が休業するなかで、救いの機器として売れているのだろう。