コロナショックで出現したメガトレンドの中身

バブル崩壊後と今日の状況は大きく異なるが、コロナショックによって世界経済は混乱と同時に、大きな変化の局面を迎えている。重要なことは、コロナショックによって今後の世界経済を支えると期待されるメガトレンドが出現しはじめたことだ。それを支える重要な要素の1つは、ネットワーク・テクノロジーだろう。

先述したテレワークは今後の世界経済全体での働き方を規定する大きなファクターとなりはじめている。重要なことはIT先端技術を用いたバーチャルな世界の重要性が高まっているということだ。世界的にオンライン診療が急速に浸透している。大学などの授業も各種アプリケーションを用いたデジタル空間で行うことが常識となりはじめている。

企業の成長と変化への適応力を支えるもの

企業の最終目標は、株主価値の増大ではなく、長期の存続だ。そのために企業は、新しい価値観や専門知識、技術などを持つ人材を確保し、彼らが創意工夫を発揮してイノベーションを目指す環境を整備する必要がある。それが企業の成長と変化への適応力を支えるだろう。

新型コロナウイルスの感染拡大は、生命の尊さという根本的な価値観を世界全体に再認識させた。そうであるからこそ、多くの国が一時的な経済の落ち込みという犠牲を払ってまで都市・国境を封鎖し、人の移動を遮断している。この考え方は、特効薬やワクチンが開発されていない中で人々を感染から守るために大切だ。

一方、わが国政府の感染対策は遅れ、人々の不安心理は日増しに高まっている。何よりも、政府は徹底して感染の拡大を止めなければならない。検査体制の拡充や医療体制の強化は早急に対応されなければならない問題だ。それが人々の安心感を支えるだろう。