【3】理←→情
理が勝つ組織は、よく言えば合理的、悪く言えばドライ。情が勝つ職場は、よく言えば仲良し、悪く言えばぬるま湯、といった表現ができます。
ここはシンプルに解説します。その方がかえってわかりやすいのです。
端的に言って、その事業は、こちら側が偉い立場かどうか。もう少しいうなら、「○○してあげる」立場かどうか、といえばいいかも知れません。
「何をバカな、今の時代、ニーズは少なく、ライバルは多い。そんな殿様商売なんかありゃしないよ」と怒る読者もいらっしゃるでしょうね。確かにそのとおりなのですが、もう少し仕事をシンプルにとらえてみてほしいのです。
たとえば、銀行は「お金を貸す」仕事。いくらライバルがたくさんいるとはいえ、「貸す側=銀行」が上になるように思えます(実際には融資営業はけっこう大変な業務ですが、イメージの話です)。そういう「シンプルなイメージ」でとらえてみてください。
コンサルティングファームも、やはり、「頭のいい人たちが、経営課題を解いてくれる」という格上のイメージが漂います。外資金融も同様。こんなイメージ的に「上」にある事業は、情に溺れると失敗することが多々あります。そこで、合理的判断、理性を重視する。
一方で、「買ってもらう」「納入してもらう」という言葉がふさわしい業界は、この逆になります。こうした業界にいると、同じような商品を売るライバルとかち合ったら、お客さんの方は、「より、自分に対して親身になってくれる企業」を選びます。つまり、理性的・合理的には割り切れないような、肌合いが不可欠になる。
整理すると、以下のようになります。
(1)(イメージとして)こちら側が「偉い立場」にいる。
(2)「○○してあげる」「○○してもらう」どちらで表現されることがふさわしい事業か。
※この連載では、プレジデント社の新刊『2社で迷ったらぜひ、5社落ちたら絶対読むべき就活本』 (1月21日発売)から一部を抜粋して<全6回>でお届けします。