一見、コロナに直接的に関係ない業界にも影響か

自動車部品製造業、電子部品業界、金属部品などの関連産業まで含めると、影響は非常に大きくなります。特に、電子部品業界は今まで、スマートフォン需要を背景に成長してきました。しかし、スマートフォンの市場も飽和状態となり、今後は自動運転分野における車載向けの電子部品へ商機を見いだしていただけに、今回の自動車業界の落ち込みは、この業界のみならず、隣接する他の業界への打撃も大きくなっています。

建設業界は五輪需要を背景にこれまで堅調に推移してきており、五輪後の都市開発や防災関連の需要も見込まれていました。しかし、五輪が来年に延期されることになり、建材・設備の納期も延ばされることで、工事の一時中止が余儀なくされています。このまま、人の移動が制限され続ければ、鉄道の利用や宿泊施設の需要やオフィスの需要が減ることで、建設業界への影響は計り知れない。一方、“きれいな空気”のニーズにより空調設備の需要は増加し、既存の“超密型”オフィスはソーシャルディスタンスを取るレイアウトへのリノベーションなどの需要が高まる可能性があるでしょう。とはいえ、新型コロナによる影響は、段階的なフェーズを経てあらゆる業界へ、侵食が始まっています。

新型コロナにより「個」と「個」が直接繋がる世界に

4月7日から元NHKアナウンサーで現在は「モーニングCROSS」の“朝の顔”である堀潤氏は、SNS上に自身のLINEのIDを公開しています。

「今こそ不安を言い合える日常であればと思います。僕のLINEを開放します」と呼びかけたところ、多くの不安の声が集まっています。堀氏はLINEに寄せられたメッセージに返事をしながら、NPOや社会的企業で作る団体「新公益連盟」に協力を呼びかけ、専門家と共にどうしたら不安が和らぐのかを模索しています。

堀氏は、台風15号が千葉県に直撃した際に、メディアでは組閣を優先した報道がメインとなっていた状態のときに、いち早く現場取材に行き、情報を発信し続けました。そして、被害に遭った1人の声をある与党の政治家に投げたことで、自衛隊派遣を後押しするきっかけを作りました。

「個」の声が、届くべきところに届き、その声が社会システムを変える。

そんな時代が目の前に来ています。新型コロナ禍で、物理的にも精神的にも“見えない”世界が増え、不安が増しているかもしれません。しかし、われわれはwithコロナの時代を経たポストコロナの世界では、より一層「個」と「個」の結び付きは強くなり、“個人の信頼”こそが重要な世界へと移行しつつあるのでしょう。

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