とにかく突っ込みどころ満載の「アベノマスク」

マスクが配布されるのはいい。しかしこの期に及んでたったの2枚とはどういうことか。しかも1世帯で2枚だから、4人家族ならば2人で1枚。洗って再利用できるといっても少なすぎる。

しかも世界保健機関(WHO)は、布製マスクを「推奨しない」としている。布は織り目が粗いので、ウイルスを防ぐ効果が薄いとみられているからだ。

さらに、先ほど書いたように配布されるマスクは、見た目が古めかしい。若者は使いたがらないだろう。

路上生活者(ホームレス)やネットカフェで生活する人など、住所のない人にはマスクは届かない。突っ込みどころは尽きない。

誰が呼んだか、このマスクは「アベノマスク」と言われ嘲笑の対象となってしまっている。

右からも、左からも、海外からも批判

鳩山由紀夫元首相はツイッターで「昨日はエイプリル・フール。でも直前に志村けんさんが亡くなるショックで今年はそれどころではないと思っていた矢先に、安倍首相が布マスクを全世帯に2枚配布しますと決めたとのこと。なかなかやるなぁと思っていたら、本当になさるようだ。今どきなぜ世帯に2枚? 早急にやって欲しいのは減税なのに」とツイート。

一方、安倍応援団の論客として知られてきた百田尚樹氏も「一つの家庭に2枚の布マスク? なんやねん、それ。大臣が勢揃いして決めたのがそれかい! アホの集まりか。全世帯に郵便で2枚のマスクを配るって…。そんなことより、緊急事態宣言とか、消費税ゼロとか、金を配るとか、パチンコ店禁止とか、エイヤッ! とやることあるやろ」とつぶやいた。右からも左からも、たたかれている。

ブルームバーグ通信も「計画は物笑いの種になっている」と配信。「アベノマスク」は世界を駆け巡っている。

今、新型コロナの感染は日々広がりを見せている。国民は生命の不安と、外出自粛などの影響による経済低迷による生活の不安を感じながら日々暮らしている。そして安倍氏がいつ緊急事態宣言を出すか、有効な経済対策を打ち出すか、固唾をのんで見守っている。

そこで、緊急事態宣言でも経済対策でもなく「マスク」が出てきた。まさに大山が鳴動して「マスク2枚」。怒るのも無理もない。