東京・国分寺に全国から注目を集める地域通貨「ぶんじ」がある。その仕掛人で、カフェのオーナーでもある影山知明さんは、ぶんじを「交換の後味がよくなる通貨」だという。「鎌倉資本主義」を提唱し、地域通貨「まちのコイン」を推進している面白法人カヤックの柳澤大輔さんが話を聞いた――。(前編/全2回)

※本稿は2020年2月28日に収録された「地域資本主義サロン」での対談をまとめたものです。

(左)面白法人カヤック代表取締役CEOの柳澤大輔さん、(右)クルミドコーヒー/胡桃堂喫茶店店主の影山知明さん
撮影=プレジデント社書籍編集部
(左)面白法人カヤック代表取締役CEOの柳澤大輔さん、(右)クルミドコーヒー/胡桃堂喫茶店店主の影山知明さん

マッキンゼーからカフェ経営者に転身

【柳澤】今回のゲストは影山さんです。『ゆっくり、いそげ』(大和書房)という本を書かれています。本のオビでは「JR中央線・乗降者数最下位の西国分寺駅―そこで全国1位のカフェをつくった人」と紹介されていますね。

柳澤大輔『鎌倉資本主義』(プレジデント社)
柳澤大輔『鎌倉資本主義』(プレジデント社)

【影山】ご紹介ありがとうございます。クルミドコーヒーの影山と申します。東京の国分寺市というところでカフェの経営をしています。クルミドコーヒーと胡桃堂喫茶店の2店舗で、もう11年半ぐらいになります。カフェを始める前はマッキンゼー・アンド・カンパニーというコンサルティングの会社にいたり、投資ファンドでベンチャーキャピタリストの仕事をしたりしていました。

【柳澤】日銭を稼ぐ仕事と普通の人が目にしないような大金を動かす仕事と、ある意味、両極を見てこられたわけですね。

【影山】そうですね。100円玉をじゃらじゃらいわせて入金するのと、銀行で0の数を数えながら1億円の振込とかをしていた時代と(笑)。カフェを経営していると、グローバル資本主義というものと、僕らが日々のなりわいとしてやっていることは随分性格が違うなっていうのを感じるんです。そのことを自分なりに反芻してたどり着いたキーワードが2つありました。1つは「ギブから始める」ということ、もう1つは「特定多数」です。