赤ちゃんの夜泣きを減らす方法はないのか。小児科専門医の森戸やすみ氏は「最近、『消去法』という寝かしつけの手順に注目が集まっている。これなら子どもは一人で寝られ、親は休む時間を増やすことができる」という――。
※本稿は、朝日新聞の医療サイト「アピタル」の連載をまとめ、加筆した、森戸やすみ『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』(内外出版社)の一部を再編集したものです。
10人に1人が発症する「産後うつ」
昔から「寝る子は育つ」と言ったり、「赤ちゃんは寝るのが仕事」と言ったりします。
これだけを聞くと、乳児はいつも寝ているような印象を受けますが、実際は「ウチの子、ぜんぜん寝てくれなくて……」と悩む保護者の多いこと多いこと。
子どもが思うように眠ってくれないと、お母さんやお父さんはどうしてなのかわからず、途方に暮れて絶望を感じます。こんな状態では満足に眠れるはずがありません。
産後1年までの妊産婦の死因は、自殺が最多である、という国立成育医療センターによる調査結果が発表されました(※1)。衝撃的な事実だと思われるかもしれませんが、小児科医からすると、相談に来るお母さんたちの不安そうな顔から理解できるところがあります。以前から出産後の女性の10人に1人が産後うつを発症することが指摘されていて、専門家は自殺と関係していると考えています(※2)。
※1 国立成育医療研究センター「人口動態統計(死亡・出生・死産)から見る妊娠中・産後の死亡の現状」
※2 朝日新聞デジタル「妊産婦の死因、自殺が最多 2年間で102人 厚労省研究班」