笑顔で「おやすみ」と言って寝かせる
日本とイギリス、フランスで子育てをした薗部容子(そのべようこ)氏の著書『まず、ママが幸せに―産んで育てて、ニッポン・イギリス・フランス』(日本機関紙出版センター)には、薗部氏が消去法を実践してきた経験が書いてあります。
それによると、申し訳なさそうに「ひとりで寝かせてごめんなさい」と言って寝室のドアを閉めるのではなく、笑顔で「おやすみ」と言って寝かせるそうです。眠る前にママやパパの顔が悲しそうだと、子どもは不安になるかもしれませんからね。今日からでも取り入れられる方法です。
一方、日中の赤ちゃんが起きているときでさえ放置したら罪悪感を持ってしまうし、夜に眠れなくて泣いていたら放っておけないというお母さんもいると思います。また、心配で離れられないというお母さんもいるでしょう。
でも、「赤ちゃんは泣くのが仕事」、「泣く子と地頭には勝てぬ」という言葉を知っておいてください。これらの言葉は、昔から赤ちゃんが泣くことに対してはなすすべがなかったことを伝えてくれます。事実、赤ちゃんは泣くものです。抱っこをしても、あやしても、何をしても、泣きやまないときは泣きやみません。そして泣いているからといって、子どもが不幸なわけではありません。泣かせておいても大丈夫なのです。
それでも気持ち的に落ち着かなければ、夜間はお父さんやほかの家族に任せたり、交代にしたり、という方法もあります。
産後1年間は1日1回、お母さんをひとりで寝かせるべき
または睡眠不足にならないように、日中にベビーシッターやヘルパーを頼んで、赤ちゃんをみておいてもらうのもいいですね。昼間でも構いませんから、お母さんがなるべくしっかり眠れる時間を作りましょう。
お母さんの睡眠時間をしっかり確保することは、そのくらい大事なのです。なんとかして赤ちゃんを寝かせようとがんばるあまり、精神的に追い詰められたり、体力的にバテたり、さらに悪化して産後うつになってしまったりしては、元も子もありません。
産後1年間は特に、周りが気をつけて1日1回数時間でもお母さんをひとりで寝かせてあげられるようにすべきです。
それから、お母さんでもお父さんでも、自分で調子がおかしい、疲れがたまっていると思ったら、早めに休んだり、家族や保健師さんなどに相談するようにしましょう。「こんな程度で……」とは思わないでください。誰かに助けを求めるのは、深刻になる前がいいのです。親が笑顔でいられると、赤ちゃんにとってもいいということを覚えておいてくださいね。