子どもをもつ? もたない?
ライフプランとも関わってきますが、子どものいる人生を望むか、いなくてもよいと考えるか、その価値観によって夫婦の生き方は大きく変わります。
妻は子どもがほしいのに、旦那に子どもはいらないと言い切られたら、出産年齢にリミットのある女性には大問題です。反対に、子どもがほしいと思う男性と、そう思わないという女性もいます。自分は三人兄弟だから三人ほしい夫と、子どもは一人で十分という妻といったように、子どもの数について意見が違う場合もあるでしょう。
子どもをほしい、ほしくない、その理由はそれぞれで、デリケートな問題を含むこともありますが、夫婦だからこそ本音で話すべき事柄です。ほしくてもできない以前の問題で、子どもがほしい、ほしくないという考えは結婚前に相手に伝えておくべき事項だとも思います。
ある結婚3年目の夫婦の話です。30歳の妻は一日でも早く子どもがほしいと思っていますが、夫は「もう少しお金が貯まったらつくろう」と濁していました。妻の焦りは日に日に増し、毎日イライラしています。夫がなぜ子どもをもつことに積極的になれないかというと、子ども中心の生活になるし、お金もかかる。しょっちゅうイライラしている妻を見て、思い通りにならない子どもができたら余計にイライラして自分にも当たり散らすのでは、と恐れていました。
このケースは、まずそれぞれが、お互いの幸せや二人の幸せを慮ることがなく、自分の気持ち、自分の幸せを主張し合って平行線をたどっている、特に夫が妻の女性として子どもがほしいという切実な思いにちゃんと向き合っていないことが気になります。実際に夫が心配しているお金の問題を含め、出産後の生活がどのように変化するかなど、二人の間で話し合うべきです。
「産後クライシス」に陥る夫婦が増えている
たとえば、子どもが生まれたらどのように育てたいのか、そのためにはいくら必要か、妻がイライラを溜め込まないように土曜日はエステや美容院の日にしよう、夫も金曜の夜はジム通いをして一人になる時間と健康づくりをしようなど、建設的な話をしてみることです。
「子どもは生まれてみたらかわいいと思うもの」と言ったりもしますが、実際は大変なことも多いものです。二人だけの生活とは様変わりします。特に女性は出産することで肉体的にも消耗しますし、ホルモンバランスの変化などで感情のコントロールがしにくくなり産後鬱うつになるような方もいます。不安を煽るつもりはありませんが、産後、育児のハードさから夫婦関係に亀き裂れつが生じる「産後クライシス」に陥る夫婦が増えているのも事実です。
子どもが生まれたら生まれたで、子育てについて夫婦の意見が分かれたりしてケンカやイライラを互いに募らせることも多くあります。これから子どもをもつという方で、妻との意見の違いに直面している夫は、互いの幸福を高めるよいチャンスというふうに捉えて、いまこそ妻としっかり向き合うことをおすすめします。