英語版『武士道』が世界的ベストセラーに
2020年で50回目を迎えたダボス会議。主にテーマになったのは「環境問題」と「ステークホルダー資本主義」の2つでした。議論に参加して率直に感じたのは、「何をいまさら」という思いです。日本は昔から環境と社会の共生をやってきました。また、「三方良し」に象徴されるように、ステークホルダー全員の幸せを目指す経営もあたりまえ。株主価値の最大化を徹底する欧米の資本主義とは、もともと一線を画していました。
世界のビジネスエリートも、ようやくそのことに気づいたのでしょう。近年、世界では日本の存在感が増しています。たとえばダボス会議を主宰している、世界経済フォーラムのクラウス・シュワブ会長は、「日本はG7の中で最も安定した民主主義国家」と評しました。僕もさまざまな場所で、「欧米各国で国民の分断が相次ぐ中、日本はなぜ安定しているのか」と質問を受けました。
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