ノルマを達成できないと上司の成績にも傷がつく

上司の視点を個人のノルマからチームのノルマに引き上げよう<br><strong>セレブレイン代表取締役 高城幸司●</strong>リクルートで6年間トップセールス賞を受賞。「アントレ」編集長を経て独立。
上司の視点を個人のノルマからチームのノルマに引き上げよう
セレブレイン代表取締役 高城幸司●リクルートで6年間トップセールス賞を受賞。「アントレ」編集長を経て独立。

ノルマを下げたい理由には、次のふたつが考えられます。ひとつは、不当に大きい数字を割り当てられた場合。もうひとつは、その数字を達成する実力が、経済環境の問題も含めて、自分にないと思う場合です。あなたの主張に、論理的整合性があれば、どちらの場合でも数字を下げることは可能です。

まず考えられるのは、優秀な営業マンに、過剰なノルマが課せられるケース。この場合、営業マンにとっては理不尽な数字でも、上司は達成できると思ってその数字を与えているはずです。なぜなら、あなたがノルマを達成できなければ、上司の成績にも傷がつくからです。

私自身、過去に自分だけ理不尽に高いノルマを提示され、それを上司との交渉を経て、下げた経験があります。その際、「僕のノルマはほかの人の4倍です。これはなぜですか?」と、まずは理由を聞きました。すると、「おまえならそれだけ売ってくれると思ったから」と答えが返ってきたので、「僕には4倍の力があると思ってくださっているのですね。期待していただいて嬉しいです」と、感謝の意を表したうえで、「でも考えてください。単純計算すれば、僕には人の4倍の作業量が発生することになります」と、その結果起こる事実を客観的に述べたのです。「どうしてもやれといわれたら、僕はやります。毎晩徹夜すれば、なんとか達成できるでしょう」。あくまでも上司の命令に従う姿勢をみせつつ、管理能力を問われるリスクがあることを知らせ、とどめに「僕の数字に○○さんもコミットしてくれるんですね。○○さんのアシストがあれば、僕も頑張れます」と、ノルマは連帯責任だと、さりげなく上司にリマインドしたのです。