銀行支店長が粉飾決算を見破った理由

銀行マンの出入り、実力社長の退社、在庫の急増をチェックせよ<br><strong>帝国データバンク 東京支社情報部部長 江口一樹</strong>●1960年生まれ。新聞社勤務を経て、88年帝国データバンク入社。2006年より現職。
銀行マンの出入り、実力社長の退社、在庫の急増をチェックせよ
帝国データバンク 東京支社情報部部長 江口一樹●1960年生まれ。新聞社勤務を経て、88年帝国データバンク入社。2006年より現職。

ある銀行の支店長が、融資をするかどうかの見きわめのため、A社にやってきました。A社社長は社員に自社の決算書を持ってこさせ、それをぱらぱらとめくったのち、支店長に手渡します。すると、支店長は決算書も見ず、「融資はしません」と帰ってしまいました――。

なぜか、じつは渡されたのは粉飾された決算書だったのです。A社はしばらくして倒産。なぜ支店長はそれを見抜くことができたのでしょうか。この解答は最後にお教えしましょう。