不況時には、購入の中止・延期が増える

仮説を立て、二度顧客を絞る“ツーステップ・ターゲティング”が有効!<br>
<strong>カーナープロダクト社長 横田雅俊</strong>●長野県生まれ。外資系ISO審査機関営業職を経て、カーナープロダクト設立。
仮説を立て、二度顧客を絞る“ツーステップ・ターゲティング”が有効!カーナープロダクト社長 横田雅俊●長野県生まれ。外資系ISO審査機関営業職を経て、カーナープロダクト設立。

不況時の新規開拓は、基本的に難しい。競争が激しくなり、価格競争に陥りやすく、顧客側も購入の延期か中止を考えるからだ。そこであえてこの冬の時代に新規顧客を開拓してゆくにはどうすればよいか。いくつか対策を挙げてみよう。

好景気の際は、「購入したい」顧客を探顧客を探すのが営業の仕事。しかし不況時は「購入したい顧客」の中で実際に「購入できる顧客」を探さなければならない。当然、好況期より絶対数が少ないから、アプローチする顧客数を増やさねばならない。特に、現在のように不況になりたての時期は、買いたくても買えない顧客が多く、「購入できる顧客」は見分けにくい。

そこを見極めるのは、上司の仕事である。その顧客が「購入できる」かどうか、部下が間違って「買えない顧客」のところにばかり通っていないか等々、上司のマネジメントが営業マンの明暗を分ける。しかし、「購入できる顧客」を見極め、狙い撃ちすることは、いくら上司といえども難しい。

では、どうするか。まず訪問先に優先順位をつけるのである。例えば、「まだ景気のいいこのエリアから当たってみよう」「財務状態のいい業界上位から攻めてみよう」、あるいは、過去の設備投資の計画を調べてから、「設備が古くて、新品を買わざるをえないところから攻めよう」等々、まず仮説を立てて対象をリストアップし、一度すべて当たってみて再度絞り直す。私はこれを“ツーステップ・ターゲティング”と呼んでいる。