アカウントや投稿を削除しないままパスワードなどを忘れ、自分が若いころの恥ずかしい記録(ネット上では「黒歴史」と呼ばれる)が残ったまま消せない、という状況のユーザーがいたり、有名人の過去が暴かれてしまったりしたケースも過去にはみられた。
単に「青臭い」だけの投稿が残っているのであればまだいいが、若いころの犯罪行為や、モラルに反する内容の投稿が残っていることで、信用を失ってしまうケースもある。
こういったトラブルが起こらないうちに、利用しなくなったサービスのデータは消しておくのが将来の自分にとっては最善だといえる。だが、私は自らの個人情報やプライベートな状況を預けるSNSなどの各サービスが「どのように個人情報を扱っているか」にも留意する必要があると考えている。
大手SNSであるツイッター、インスタでアカウントを削除した際、それまで投稿したコンテンツがどう扱われるのか、検証を行った。
まずツイッターだが、アカウントを削除した時点で、該当アカウントでアップした画像はネット上で閲覧できなくなった。
退会してもURL直打ちで……
しかし、インスタではアカウントを削除すると該当のアカウントや投稿のURLは閲覧できなくなったものの、画像ファイルのURLを直接打ち込むと、画像データを表示することができてしまった。
多くの利用者は「アカウントを削除すれば、投稿した画像も即座に消える」と考えていることだろう。しかし、インスタでは前述の仕様により、見た目上は消えているものの、実際には画像がネット上に残っており、公開時の画像のURLを控えていればしばらくの期間は閲覧できてしまう。検証したところ、退会後2週間ほどは画像を閲覧することができた。
インスタの画像はCDNと呼ばれる、表示速度向上のために閲覧者に近い場所から画像を取得する仕組みを使用している。CDNでは投稿した際に世界中の複数の場所に画像のコピーが置かれることになるため、すべてのデータが消えるまでにはタイムラグが発生する。そのため、このような事態が起こっている可能性が考えられる。
インスタの規約では「利用者がアカウントを削除した場合、弊社はその利用者が投稿したコンテンツ(写真や近況アップデートなど)を削除します」と記述があるが、削除時期に関する言及はなく、退会から削除までの期間が空いても規約上問題はないだろう。